前田家別邸 [熊本の観光]
熊本県玉名市へ出かけ、「小天温泉 那古井館」から徒歩約2分の場所にある「前田家別邸」を見学しました。地元の名士である前田案山子氏が来客をもてなすために建てられた別邸になり、利用していた離れや浴場が一般公開されています。明治の文豪「夏目漱石」が1897年に旅行で訪れて離れに数日間滞在し、この旅をもとに小説「草枕」を発表しました。
1878年(明治11年)の建設当時は木造3階建ての本館がありました。旅館としても使われ、中庭を囲むように渡り廊下でつながった母屋・温泉客用の客室・浴場棟などが点在していました。渡り廊下の雰囲気など当時の面影を残しています。《2014年1月》
《漱石が滞在した離れ》 趣のあるこちらの離れに漱石が宿泊し、数日間を過ごしました。2010年にはスタジオジブリの社員旅行で宮崎監督が峠の茶屋経由で前田家別邸を訪問され、離れも見学されました。映画「風立ちぬ」の主人公宅のモデルになったようです。
《浴場》 小説「草枕」にて入浴中に那美さんが手拭いを下げて湯壺へ下りてくる情景が描かれています。小説の中に出てくる那古井の宿が前田家別邸になり、次女の卓(つな)さんがヒロインの那美として登場しています。浴場は補修すれば今でも十分使えそうですね。
前田家別邸 熊本県玉名市天水町小天735-1
見学時間 9:00~17:00、見学無料
この後は、夏目漱石ゆかりの地「峠の茶屋」・「石畳の道」も訪れました。